「不要なものから大切なものへ」 島津冬樹
「不要なものから大切なものへ」がじぶんスタンダード 「不要なものから大切なものへ」がじぶんスタンダード

段ボールアーティスト/島津冬樹

言ってしまえばゴミである段ボール
だけど、財布に生まれ変わって、
たくさんの人を楽しませることができる

この活動を通して伝えたいのは、
どんなものにだって可能性がある
ということ

段ボールは旅をしてきている
段ボールは旅をしてきている

僕が使っているのは“捨てられた段ボール”。
一番の魅力はなんといっても
旅の痕跡が残っていること
箱に荷物を詰めた人の想い、運んだ人の想い、それを開けて使った人の想い。
役目を終えた段ボールには、いろんな人が関わってきたという“温かさ”があるんです。

そう語るのは、世界中に落ちている
段ボールから、
財布を作る活動をしている島津氏だ。

もともと絵を描くのが好きだったことも
あって、
美術大学に進学し、
デザイナーの道を目指していました。

ところが、大学2年生のときですかね。
自分の財布がボロボロになってしまい、
買い換えたかったのですが、お金がなくて…。
ちょうど、大学の課題で使って、
余っていた段ボールがあったので、
それで財布を作ってみたんです。

その段ボールがたまたまおしゃれなもので。
そこから段ボールのグラフィック
興味を持ち、
段ボール財布作りに
目覚めていきました。

その後、フリーマーケットなどで
段ボール財布を販売しているうちに、
アートフェアに呼ばれる機会
が増えていって、
デザイナーではなく
アーティストになりたいと思うように。

一度はアートディレクターとして
広告代理店に就職したのですが、
「やっぱり自分がやりたいのは段ボール
の魅力を伝える活動だ
」と思い退社。
段ボールアーティストとしての活動を
本格的にスタートさせました。

この活動の一番の目的は、
段ボール財布を売ることではありません。
コンセプトは
「不要なものから大切なものへ」
段ボールに限らず、
どんなものにも無限の可能性がある
ってことを伝えたいんです。

段ボールの魅力、
そしてその先にあるメッセージを
伝えるために展示会や
ワークショップを開催し、
精力的に活動を続ける島津氏。

そんな彼の「スタンダード」とは?

STANDARD1

自分の足を使って“集める”

自分の足を使って“集める”

今はネット社会。
自宅にいても、世界中の
段ボールを
集めようと思えば集められます。
でも、自分で歩きまわって発見し、
自分で日本まで
持って帰るのが僕のこだわり。
キャリーケースに入る量には
限りがある
からこそ、
本当に自分が求めている
段ボールを
見極めることができるんです。

STANDARD2

メッセージを込めた財布を“作る”

メッセージを込めた財布を“作る”

10年かけて、財布の耐久性や
使いやすさ、
デザイン性に磨きを
かけてきました。
その制作に欠かせないのが“ハサミ”。
段ボールがスパッと切れて、
長持ち
するものって意外と限られています。
愛用しているのは、FISKARS。
活動を始めて以来ずっと使っている
大切な相棒です。

STANDARD3

段ボールの魅力を“発信する”

段ボールの魅力を“発信する”

段ボール財布を通して、
「どんなものにも可能性がある」という
メッセージを伝えることが
この活動の真意。
それにはいろいろな方法が
あると思うんです。
財布の展示の仕方もそうですし、
文章や写真を使って伝える
こともできる。
どんな手段で伝えるべきかを
考える時には、
前職を退社するときに
自分を
励ますために
買った万年筆を使っています。

「段ボールでどこまでいけるか」が
今後の人生のテーマだという島津氏。

それはなにも、段ボールの魅力を
発信するだけに留まらない。
将来に迷っている若者たちに、
「こういう仕事の仕方、生き方もあるんだ」
と、
少しでも参考にしてもらえたら
嬉しいとも語っていた。

Carton/島津冬樹

1987年生まれ。段ボールアーティスト

2015年、広告代理店を経て
アーティストへ。
2009年より路上や店先で放置されて
いる段ボールから財布を作る“Carton”
の活動をスタート。
国内外での展示やワークショップを
開催している。

2018年冬に、Carton/島津冬樹を
追ったドキュメンタリー映画
『旅するダンボール』が全国劇場公開。
自身初となるエッセイ『段ボールは
たからもの 偶然のアップサイクル』
も全国書店で発売中。

日常に
「じぶんらしさ」を
たくさん重ねると
暮らしが、街が
もっともっと
豊かになっていくはず。

dポイントは
みんなの「じぶん」らしい
暮らしを応援します。

⇒暮らしを支えるdポイント

ほかのじぶん百景